校長挨拶

新年度のご挨拶

入学式挨拶はペッパー君!

4月8日! 満開の桜のもとで、入学者が中高合わせて630名を超え、保護者も加えると1千名を超える多数のため、体育館に入りきれず、2時間ごと2回に分けて本校入学式が行われました。校長挨拶は途中から2会場とも人工ロボットの「ペッパー君」に入学の祝辞を述べてもらいました。ペッパー君は頭の良い子ですから校長よりよどみなく立派に「おめでとうございます」の挨拶が出来ました。(笑)この入学式でのペッパー君の祝辞は日本初でしたでしょう!生徒はもちろん保護者の方々の笑顔が印象的でした。とりわけ中学入学生の若いお父様たちの笑顔が際立っていました。職場においてICT導入の先頭に立たれている世代の皆様方であるからです。本校は新しい時代にチャレンジするご家庭の子弟の皆さんのために、即ち、「未来からの来訪者の皆さん」のために開かれた学園創造を展開してまいります。同時に、30年後のAI=人工知能が人類智を越える「シンギュラリティ(技術的特異点)」の時代を視野に入れたアクティブラーニングの授業を積極展開して行きます。心あるご家庭の子弟の皆様の入学を心よりお待ち申し上げます。

高校ではSTEM教育(数学をベースに情報工学を加味した教育)に基盤をおいた「理系先進コース」並びにイマージョン授業とグローバル教育に基礎を置いた「国際教養コース」を立ち上げ、中学ではそのジュニアコースとして「国際先進コース」を立ちあげて皆さんをお待ちいたします。

さらに本校では、マルタ島語学セミナー、ハワイ語学セミナー、セブ島語学セミナー、オーストラリア&ニュージーランド留学制度、シンガポール・マレーシア修学旅行、英語キャンプ、各国大使館めぐりなど、多様で多彩な研修制度を設けて皆さんをお待ち致します。本校には「国際部」があり「世界に飛翔するアジアの中のKOMAGOME」を合言葉に「グローバル教育」を強力に推進しています。即ち、海外からの留学生も制度化して受け入れ、日本語禁止の『英語ゾーン』の教室では、昼休みにALTの先生達や海外からの留学生たちと冗談も会話もオールイングリッシュで楽しい国際交流の時間を生み出しています。「国際教養コース」の第二外国語の授業はフランス語ですが、それをオールイングリッシュで学んでいる学校です。本校は居ながらにして国際交流の出来る環境が生み出されている学校なのです。

「知識基盤社会の変化」と「学びの構造変化」について

時代はすでに高度情報社会に突入しています。そう遠くない時代に「卓上型人工知能ロボット」が受験生の「学習支援ロボット」として登場することになるでしょう。このロボットは「IoT=インターネット・オブ・シングス(物のインターネット化)」として、世界のデータベースとインターネット上で会話をする「IoTロボット」にもなります。これは「学びの構造」が世界規模でネット化され、根底的に切り替わる時代を迎えたということでもあります。学習者は「オンデマンド(直接的)」にデータベースに直接的にアクセスさえすれば、最先端のデータベース上の知識を、自宅に居ながら習得できる時代が来たということです。これはとりもなおさず「知識基盤社会」が急速に拡大し大きく変化して行くということです。

中高時代の「学校の役割」もまた必然的に「フリップドラーニング(反転学習)」の時代にシフトして行かざるを得ない時代になったということでもあります。2020年の東京オリンピックの年がその分岐点になるとも言われています。それまでに改革を終えている学校群とそこから始める学校群の差は天と地ほども異なって来るはずです。なぜならコンピュータの進化速度は加速度的で、世代交代速度がドッグイヤー(1年交代)からマウスイヤー(3ヶ月交代)になっているからです。立ち遅れは「致命的な時代」を迎えているのです。

本校は既に昨年度から全入学生にタブレット端末を配布してICT授業を開始しています。東京オリンピックの年には本校独自のクリエイティブな授業展開が完成しています。それがこれからの21世紀に生きていく生徒たちのために行うべき「責任ある学校改革」であるのです。本校が見据えるのは、生徒たちの「30年後の未来」です。ロボットに使われる人間ではなく、ロボットを使いこなして豊かな社会生活をもたらすことのできる「各分野のアントレプレナー(先駆者)」を生み出すことなのです。自らを灯明として(自灯明)、周囲を明るく照らし、その場になくてはならない人、すなわち「一隅を照らす人」を生み出すのが、本校の「建学の理念」であるからです。「温故知新(古きをたずね 新しきを知る)」という学校改革を静かに熱意をもって推し進めてまいります。

本校は平安時代の「国家仏教・天台宗」の学校であります。一宗一派にとらわれない普遍的な「生の哲学」としての仏教の基軸を、揺るがすことなく心の座標軸に据えて、「折れない心の育成」を図ってまいります。同時に「己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」という利他の精神を育んでまいります。「人の世に立つ」というのは、利他の精神を具現化した人間にして初めて可能なものです。高い精神性を育みながら、国際性に目覚め、かつ、ICT時代のスキルを兼ね備えた有為な人材育成に取り組んでまいります。

本校は江戸の天和2年(1682)に上野寛永寺内に創建された「勧学講院」がその濫觴です。当初から、江戸の人々に開かれた「学び舎」として、335年の歳月を「子供は国の宝」と位置付けて過ごして来ています。その校風は明るくしなやかです。駒中の歌がそれを良く表しています。

 

― 君の計算できたかい

僕の実験いますんだ

窓を開ければ招くよに

白もくれんがゆれている

駒中いいな うん いいな ―  (駒中の歌)

 

光るもの一つがあればそれを軸にして成りたい自分になってもらう…その双葉の成長に「神の休戦はない」…「秋の実りは樹木に返されることはない。すべては種子のためにある」…これら当たり前のことを本校は粛々とすすめてまいります。比叡山研修を終えた高1の女子生徒が書いた感想文の次の一節が私たち教員の宝物です。

 

― 『なぜ歩かされるのか?』…夜間30キロ回峰行の間そればかりを考えていた。しか
し、歩いてみて初めて分かった。自分はいつも苦しいことから逃げていた。母に守
られて生きていた。おかあさん生んでくれてありがとう! ―

校長 河合孝允

 

2017-04-26