校長挨拶

2013/4/2

 

本年度入試御礼と新学期体制について

駒込中学・高等学校 校長 河合孝允

 

本年度の「中・高校入試」は、両者共に昨年を上回る盛況の中で実施することができました。これもひとえに、皆様方より、本校の教育改革の取り組みをしっかりと御理解いただけたおかげであると心より感謝申し上げます。有り難うございました。

 

[中学入試結果]

中学の新入生は予定通り3クラス体制でスタートいたします。今年は女子が増加して男女比が1.7対1.3と共学にふさわしい黄金比率になりました。合唱コンクールのハーモニーが今から楽しみな比率です。毎年合唱レベルが上がって来ています。素敵な歌声になるものと期待しています。ハーモニーは生徒の心を育て時代を作り進路に結びつきます。高き歌声に染められた若者文化のみが時代を切り開く力の源泉となります。本校は「日本の学校が潜在的に内包する「イジメ、不登校、閉鎖主義」という負の学校体質を払拭し、開かれたシティ派のオープンドアな学校作りを推進し、生徒一人一人が「未来からの来訪者」として大きく成長する「学園広場=サンガ」を構築してまいります。

 

さて、今年の中学入試では新たに「表現力」や「課題発見力」を見る「公立中高一貫校」の行っている「適性検査型入試」(いわゆる「PISA型入試」)を導入致しました。これによって新しい俊秀な受験層に多数来ていただきました。これは併願校に表れ、小石川、白鴎、両国、九段、桜修館、竹早、富士、東大付属、お茶大付属、学芸大付属、武蔵、開成、芝と大きく広がりました。さらには、本校とこれら併願校の両方が受かった上で、本校の校風と教育方針を慕って入学されてきた受験生も目立ち、キラリと個性の輝いた入試となりました。時代はすでに「なりたい自分になる」という個性派時代に入っています。本校は「今のあなたでよいのですよ!」と言う応援メッセージを強く打ち出し、自己肯定感をしっかりと育てあげてまいります。今回、受験市場偏差値だけの選択ではなく、個性を基軸に、時代変革の今と言う時代に対する鋭敏な感覚をお持ちの家庭層のご子弟に、多数お出でいただけたことに確かな手ごたえを持っております。この皆さま方からの期待を施策化する意味で、「本校Sアドコース」を「中高一貫型上級コース」として「国公立・早・慶レベル」への大学進学コースとして育て上げてまいります。

21世紀は「誰もが同じ!」の大量生産方式時代とは異なり「オリジナルワン」に大きな意味と価値のある時代に突入しています。2番情報では意味のない時代に入っています。だからこそ「高度情報化時代」と呼ばれています。この、シリコンバレーに発する「インターネット革命時代」はヒューマンリレーションのあり方をも世界規模で根底から変えつつあります。本校は建学以来330余年の歴史を刻む伝統校です。この伝統の器に日々新しい時代情報を注ぎ込み、新時代の先端を切り開く有為な生徒を、国際理解教育を導入して育成してまいります。また、下記の高校入試のところでも触れますが、本校は家計急変が生じ760万円未満世帯となった場合、授業料無償化を行っている学園です。安心して中高6年間お通いいただけるようになっています。相談の詳細は学校説明会時の個別相談で承ります。お気軽にご相談下さい。

 

[高校入試結果]

今年、高校入試は大きく弾みがつき「推薦入試&併願優遇入試」の受験倍率では7.58倍を越す盛況となりました。心より御礼申し上げます。

本校は「古きよき時代」の校風を残す良識と節度のある学校です。入学手続きは各都県の一般一次入試の合否発表の翌日までじっくりと待つ学校です。即ち、受験者サイドに立って、手続きに焦らなくても良い制度を持つ良識ある学校なのです。受験生のみなさんが、「自分が本当に行きたいと思う学校」を選び、その中に本校がピタッと当てはまっていただければそれで充分なのです。今春も、学則定員360名のところ405名もの入学生を迎えてのスタートです。

ところで、前述しましたが、本校では公立無償化の流れを受けて、私学で始めて「760万円未満世帯授業料無償化」を打ち出している学園です。これは本校が利潤追求型私学ではなく、「慈悲」のふた文字を建学の理念とする「理念型私学」であるからこそ出来る施策です。入学後家計急変し、760万円未満世帯となった時も安心して本校に通ってもらうための施策です。学園の「優しさ・思いやり=慈悲」とは教育施策にあるのです。

古来、風は神でした。風神が順馳した土地を風土と呼びます。校風もまた同じです。悩める魂を順馳してこそ校風と呼べるのです。駒込は24色の虹の橋を用意して思春期の生徒の孤独な心を染め抜いて行きます。どの色を選択するかは個人の自由です。自己決定権こそが自由の本義であるからです。では、どのような受験生が「自由な虹の橋」を求めて本校受験に見えているのでしょうか?今年の入試結果からみた併願パターンは次の如くでした。

 

駒込高校併願パターン

駒込高校への併願パターンは、本校の3コースに合わせて3種類に分かれます

 

@「スーパーアドバンスコース」:このコースの都立高校との併願では都立入試800点台の次の高校との併願となっています。

[日比谷・戸山・青山・武蔵・国際・新宿・駒場・小山台・両国・竹早]です。

また、国立の付属校との併願では、

「学芸大・筑波大・お茶大・東工大]等です。

そして、私大付属校との併願は、

[早稲田実業・慶応志木・明大明治・中央大・青学・法政・法政女子・国学院・国学院久我山・専大松戸、日大鶴ケ丘]等です。

 

AアドバンスAコース:このコースは都立受験の750点〜800点の層に位置する受験生が併願して来ます。次の学校群です。

[三田・大泉・町田・白歐・小松川・城東・北園]等です。

 

BアドバンスBコース:このコースは都立受験650点〜750点の層に位置する受験生が受験して来ます。次の学校群です。

[豊玉・上野・文京・目黒・墨田・江戸川・豊島・雪谷・広尾・深川・晴海総合]等です。

そして、630点台の[江北・東]をもって終わります。(後はパラパラです。)

 

本校には都立入試で「9科目平均70点以上」を取る受験層が受験に来ていることがこれで良く分かります。「Sアドコース」について言えば「受験3科」の評定値合計が「15」の生徒が主流になっているのはこの為です。

ところで、上記のA・Bには「他私学併願校」は特にありません。この層の他私学は本校の主力を為す受験生と同じ偏差値群の私学であり、競合校になっているからです。併願受験は基本的に公立校との間で成立するものです。「公立1つと私立のどこか」という選択肢で選ばれるからです。ただ、公立大付属や私大付属校などの最難関校は募集定員も少なく合格率が極めて低く合格の保障がありません。したがって、もしそれらがダメでも、本校「Sアド」からなら東大・東工大・お茶大・早大・慶大・上智大・理科大・明大などに充分チャレンジできるので併願受験に来ているのです。(ただし、本校の「Sアド」は立ち上げたのが最近であり卒業生実績はこれからです。)でも、これまでの実績が信頼され、期待感で受験生が集まっているのです。

ところで今年、難易度で東大と肩を並べた大学があります。8年前の2004年に秋田に開校した国際教養大学です。東京外語大や一橋大や筑波大より上位にランクされています。学生の定員が170名と絞られた少数精鋭の新機軸の大学です。講義が全て英語による高度なリベラルアーツ教育が売り物です。外交官子弟の帰国子女や留学生を中心に人気が急上昇した大学です。そしてこの最難関大学に、今回本校生徒が現役合格しました。この大学の魅力はスモールサイズの授業形式にあります。21世紀型の学力はクリティカル・シンキング(批判的思考力)を身につけることにあります。徹底的、真剣に英語で議論をする授業は国際リーダーの人材を育成して行きます。時代の最先端はここまで来ているのです。東大型脳からの脱皮がこの大学では図られているのです。本校は成りたい自分になるという教育目標を大学の個性的選択権として推進して行きます。その意味で、今回の国際教養大合格は本校の教育方針の一つの成果であると位置づけています。

 

本校は、この4月から「授業中心主義」の学校創造をさらに力強く推進してまいります。
体罰に等しい「鞭と脅しの成績優劣主義」ではなく、耐える力、自己責任能力を育てあげながら自己肯定感のしっかりと備わった有為な人材育成にウイングを切ります。

21世紀の幕開けと同時に本邦は今「第2の黒船襲来時代」となっています。明治維新期と同じ様に「保守鎖国」と「改革開国」の価値観が教育現場でも激しくせめぎ合う国際化時代となっています。

ところで、この国際化時代に必要とされるコミュニケーション能力とは、「他者・他国と一緒に仕事をする力」「何かを成し遂げようとする情熱」「他人とは異なった発想をする能力」「構想を組み立て実行に移せる行動力」、そして、これらに裏打ちされた「インビジブルコミュニケーション能力」、一言で言えば「臨床の智」と呼ぶべき能力を育て上げることに他なりません。即ち、日本の学校に今問われている課題は、「惜しみなく自国の文化と学術を他国に与えながら、しかも自らは何も見返りを求めない」という高い精神性をもった有能な青年を育て上げることにあるのです。「きちっとした計算能力」と「溢れる情熱」と「勇気」をこそ育む時代となっているのです。言いかえれば、「ハイリスク・ハイリターン」のリスクテイクの価値とそれへの称賛を育む新時代の幕開けの時代となっています。本校は、330余年の伝統を有する駒込だからこそできる時代対応の人材育成を今年も力強く推進してまいります。ぜひ一度、駒込の校門の扉を開けて新世紀感覚の「ナレッジクリエイティングスクール・駒込」に足を踏み入れてみて下さい。「あっ!ここだ!」と直感が閃いた時が本校とのご縁の始まりです。

若木の成長に神の休戦はありません。ただひたすら成長をすれば良いのです。学園という母樹の実りは生徒の皆さん自身の成長です。その「実り・成果」は全て次世代に与えられ母樹に還される事はありません。教育とはどこまで行っても無償の行為であるからです。本校はこのようにして330余年の歳月を積み重ね、これからも100年スパンで歳月を積み重ねて行きます。暮れに行われた卒業生の[長寿の会]には、80歳、90歳台の皆さまが60余名も参加されました。心の座標軸に母校がなっているからです。人生は出会いが全てです。駒込との出会いを果たしていただき、オリジナルワンの頂きに登攀していただきたいと念願しています。御来校を心よりお待ち申し上げます。