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もっと知りたい。
社会のこと、人間のこと。

100周年ロゴ 最優秀賞

高校3年生 小藤田桜さん

Profile

  • 専攻コース:普通科
  • 部活動:美術部
  • 好きなこと:油絵、漫画、政治、宗教画、歴史
  • 駒込学園を選んだ理由:女子でもスラックスが選べる数少ない高校だったから
    ※学年・所属等は全て取材当時のものです。

まさか最優秀賞だなんて、
想像もしていませんでした。

─このたびは100周年記念ロゴの公募において、最優秀賞を受賞されたそうですね。おめでとうございます!

S:ありがとうございます!まさか最優秀賞をいただけるとは、思ってもみませんでした。なかなか良いアイデアが浮かばず、締め切り1時間前に滑り込みで応募しました。あのとき粘ってよかった…(笑)。

─多数の応募作品の中から選ばれたということで、この100周年記念サイトでも使用されていますね。受賞したことを知った時のお気持ちは?

S:突然、部活の後輩から「最優秀賞おめでとうございます!」と言われて…何の間違いかと思いました。それでClassi(学内掲示板)を見にいったら、私の名前が一番上に。嬉しかったですね!賞金の3万円は、ずっと読みたいと思っていた漫画『ゴールデンカムイ』全31巻の購入に充てました…初めての大人買いです(笑)。

デザインの良し悪しだけじゃなく、
使う人のことまでちゃんと考えたかった。

─もともとロゴデザインのご経験はあったのですか?

S:それが、初めてなんです。美術部に所属しているので、油絵はいつも描いているんですけど、グラフィックデザインは初挑戦でした。デザインソフトは使わずに、自前のタブレットで手描きとアプリを組み合わせてつくっています。

─このロゴのデザインは何から着想を得たのでしょうか?

S:そもそも私立高校で100年の歴史があるのは、めずらしいですよね。公立校なら旧制中学校の流れを受けてまだ分かるけど…。国や自治体ではない人によって、この土地も校舎も管理されてきた。何より100年ものあいだ、学園としての存在意義が保たれたまま、今に至るわけです。素直に凄いな、と。この歴史の重みをちゃんと表現したいと思いました。

─中央に描かれているのは「合掌」でしょうか?

S:はい。駒込学園は仏教校なので、中央に掲げるには相応しいモチーフだと思いました。あとは、極楽浄土に咲く花とされる、「蓮の花」をあしらいました。蓮の花は「長寿」の意味も持つので、この先の100年も末長く学園と社会の繁栄がつづきますように、と願いを込めて。

─初めてのロゴデザイン、どうでしたか?

S:面白かったです! まずは世の中のロゴを見るところから始めたのですが、色々と工夫されていることが分かります。ロゴ単体で使われるシーンもあるけど、大抵は横に店名とかスローガンなどのテキストが並んでいる。だから今回の記念ロゴも、スローガンや校章ロゴと横並びにしても収まりのよい「丸」にしました。油絵との大きな違いはここだったかなと思いますね。美術作品は絵単体で成立するけど、ロゴは様々なシーンで誰かが使うもの。絵としての良し悪しだけじゃなく、使う人のことも考えてみようって思ったんです。これは発見でした!

まだ投票はできないけど、選挙速報は必ず見ます。
だって、私たちの人生に関わることだから。

─ほかに、Sさんが最近、夢中になっていることはありますか?

S:最近は政治に興味があります。今17歳なので、ぎりぎり選挙権はないのですが、先日の東京都知事選挙の結果速報はテレビにかじりついて見ました(笑)。選挙のタイミングって、言論の自由が保障されている中で、面白い考えを持った人が現れるんですよね。一人ひとりの主張とその違い、次の展開を予想してみたりして、楽しんでいます。

─将来、政治の道に進みたいとかも思ったり?

S:そこまでは、さっぱり分かりません。けれど、早く選挙に参加して、せっかくなら自分たちが生きやすい社会をつくれたらいいなとは思います。古代史を学んでいるとよく分かるのですが、政治って正解がないから難しい。でも、生身の人間が「どうやったらみんなで幸せになれるだろう?」と考えることをやめずに、手探りながらに今の最適解を選んでいくんです。その議論に私も早く参加してみたいとは思いますね。

どうしてこの違いは生まれる?
さまざまな視点から、世界を見てみたい。

─政治に興味を持ちはじめたきっかけは?

S:きっかけ…とは違うかもしれませんが、ここ数年「宗教画」に興味がありました。たとえば…宗教画で有名なのは、『最後の晩餐』ですかね。レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を思い浮かべる方も多いと思います。でも実はあれ、新約聖書に記述されているエピソードの絵で、ダ・ヴィンチだけではなく世界中の有名無名の画家たちが描いています。その無数の作品を見比べていくと、全く同じモチーフなのに、描く人、地域、時代によって全然ちがう。人って同じものを見て、同じ話を聞いても、こんなに違う視点を持っているんだなとびっくりします。

─なるほど。つまり、「宗教画」も「政治」も人の視点の違いが面白い…?

S:そうです!政治も一緒。私たちが生きる世界のことを、多様な視点から考える試み。まだ知らない世界があるなら、知りたいんです。もちろん、私には分からないことも沢山あると思うけど、それでも人を理解しようという気持ちでいたいです。…って大袈裟ですけど(笑)

─最後に。2025年で駒込学園は100歳を迎えますが、Sさんはこの先、どのように歳を重ねていきたいですか?

S:うーん、「責任を持つことができる大人」になりたいなと思います。自分が生きる社会のことは自分で考えて決めたい。後になって不満を言う大人って嫌だなって思うので…。そのためには理想を語っているだけじゃだめで、その理想をどう実現するか?まで自分で考えられないといけません。だから、教養が必要だと思うんです。私には大学で学びたいことが沢山あります。将来後悔しないように、今は受験勉強をがんばります!

─心から応援しています!本日はありがとうございました。

S:ありがとうございました。