フィリピン社会の大きな問題の一つが、孤児の問題です。
決して両親が他界した子どもばかりではなく、 むしろ虐待やネグレクトが原因で預けられる子どもが多いそうです 。
本日は、そんな子どもたちが暮らす孤児院を訪れました。
そこはエアコンなどなく、施設も痛んでいましたが、 そこに暮らす子どもたちは、汚れのない目をして、人懐っこく、 そして明るく純粋でした。
こうした環境の下でも悲壮感はなく、 それだけにこの生活に馴染んでしまっていることが彼らにとって本 当にいいことなのか、考えさせられました。
出迎えてくれた子どもたちは幼児から小学生くらいの年齢層で、 歓迎のダンスを披露してくれました。
生徒たちもお返しにソーラン節やダンスを披露して、 一瞬にして仲良くなりました。
遊びながらコミュニケーションを取り、 帰り際には子どもたちから何度も抱きつかれたり、 一緒に写真を撮ったりと人気アイドルグループのようでした。
生徒たちも年下の子どもたちを相手に、 すっかりお兄さんお姉さんになって、 優しく接してくれたのが印象的でした。
生徒たちの心にも、こうした子どもたちがとても可愛くて、 楽しかったという思いが残りましたが、同時に、 彼らの置かれた現状を少しでも改善するために、 自分ができることは何なのかを考えるきっかけにしてもらいました 。
セブ島語学研修は1週間強という短期間ではありましたが、 とても中身が濃く、 生徒たちも出発前と比べて精神的にも大きく成長しました。
英会話一つを取り上げても、 買い物などに役立つ表面的な英語力を連想することがあるかも知れ ませんが、大事なのはその会話の中身です。
ある教材を読み、それに関する質問を聞き、それに答え、 自分の考えを相手に伝えるという、 当たり前ですが4技能を全て使うという非常に高度なことができて 、英会話は成り立ちます。
それを身をもって大変でも貴重な体験をしたことで、 4月から高校生になる彼らが今までと同じような態度で英語の学習 に接するとは思えません。
どんなふうに成長を遂げ、 孤児たちに救いの手をさしのべられるような大人になってくれるの か、その期待感が持てる研修でした。